バイクの楽しさが倍増!? ブリヂストン「バトラックスハイパースポーツS22」×ヤマハ「MT-07」のフィーリングは?

発売から約3年が経過したものの、以前として高い評価と人気を得ているスポーツラジアルタイヤ、ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S22」。今回はS22を純正採用するヤマハ「YZF-R7」の兄弟車であるMT-07でその実力を検証してみました。

ドライでもウエットでも安心のあるフィーリング

 みなさん、こんにちは。タイヤ大好き! ライター、松井勉です。なぜならば、昨今のタイヤの進化は素晴らしく、技術の詰まった最新タイヤに履き替えるだけであたかも自分があたかもライディングが上達したような走りを楽しめるからです。

 え? そんなの感じる自信がない? 大丈夫。履きこなしたスニーカーから新しいスニーカーに変えたり、ジャンルの違う靴に履き替えると「履き心地」の違い、感じますよね。あれと一緒です。履き慣れるといつの間にかフツーになりますが、履き替えた瞬間の違いこそ、タイヤを履き替えた時の違いと同じだと思っています。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S22」を履いたヤマハ「MT-07」に乗る筆者(松井勉)

 では今回試したブリヂストンのプレミアムスポーツラジアル、BATTLAX HYPERSPORT(バトラックス ハイパースポーツ)S22(以下:S22)についてお話をしていきましょう。ブリヂストンのオンロードモデル向けプレミアムラジアルタイヤ、BATTLAXシリーズは、スポーツツーリング向けT32、スーパースポーツモデルでサーキットやワインディングを主体として楽しむためのMOTO GP直系の技術を盛り込んだとも言えるハイグリップラジアル、レーシングストリートRS11、そしてツーリングの行き先は主にワインディング、走りを楽しむツーリングがなによりもスキ、そして時にサーキットの走行会にも参加をしてみよう、という風にスポーツマインドに溢れるライダーに向けたのがこのハイパースポーツS22です。

 解りやすく言えば、グリップ力、ハンドリングの究極を求めるならRS11、季節、天気を問わないツーリングを心底楽しむならT32、その中間がS22と言うことができます。RS11は使用目的がクリアです。しかしS22とT32はクロスオーバー領域が多いことが今回のテストでよく分かりました。高いハンドリング性能、グリップ感はそのままに、ウエット性能や走行開始後、暖まるまでの時間が早い! だからテストをした秋の朝、ほぼ新品のS22と軽量級ネイキッドのMT-07の組合せでもまったく不安が無かったのです。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S22」を履いたヤマハ「MT-07」

 実はMT-07が履くリアタイヤのサイズ、180/55ZR17というサイズは600クラスのスーパースポーツからCB1300SFのような重量級ネイキッドモデルはもちろん、排気量が大きくより重たいバイクも履くターゲットになるサイズ。その中では軽量級かつコーナーをガンガン攻めるだけではない車両キャラクターであることも「マッチング」を見る時に大切なファクターです。結論をいえば、標準装備されるスポーツツーリングラジアルに対してコンフォート性の一部だけは譲るものの、その他はなるほど、S22という出来映だったのです。

 S22はこんなタイヤです。前作、S21からの進化点として、タイヤの暖まり性能やウエット性能に寄与する、タイヤのコンパウンドゴムに配合されるシリカの粒がさらに微細化されたこと。そしてトレッド(タイヤの接地面部分)のサイド、深く寝かせた時に接地するエリアまで溝を伸ばしたことで、ウエットコーナリングの限界を高めたこと。フロントのブレーキングで使うトレッドセンターパート、リアはコーナリングの立ち上がりでパワーを伝えトラクションを掛けるトレッドエリアにドライグリップを向上させる新開発のトレッドゴムを採用していること。総合的には、ドライ、ウエットでのハンドリング、ブレーキング、加速トラクション性能、グリップなど性能アップを果たしつつ、ユーザーには気になるタイヤライフ(摩耗)に関してはS21と同等として開発がされたのです。

ブリヂストンのスポーツラジアルタイヤ「BATTLAX HYPERSPORT S22」(左:フロント/右:リア)

 まる1日、300㎞をMT-07に装着したS22で走ってきました。まず走り出し。そもそも軽快な特性を持つMT-07だけに、S22と相性は良いのでは、と言う見立てはズバリ当たっていました。かといって市街地の低速旋回でバイクだけが先行して曲がって行くようなことも無く、荒れたアスファルトの道でもザラつきを必要以上に伝える場面もありません。この点、スポーツツーリングラジアルから履き替えても違和感ナシ、でしょう。

 スポーツ性の高いタイヤだけにフロントタイヤの構造がガッシリしている分、角のある段差を通過するとコツンと硬い印象を伝えるものの、充分許容範囲でした。そして高速道路へ。ここでの直進安定性、快適性も納得。レーンチェンジも神経を使うこともなし。ツーリングタイヤとしても高い性能を確認できました。つまり、S22がツーリングの中でスポーツライディングを楽しむタイヤであること、という意図がしっかり伝わります。

ブリヂストンのスポーツラジアルタイヤ「BATTLAX HYPERSPORT S22」。フロントタイヤの構造がガッシリしている分、角のある段差を通過するとコツンと硬い印象が伝わるものの充分許容範囲です

 そしてツーリングシーンではしっかりウエットでの安心感を確かめるコトができました。トンネルの天井からしたたる水、峠道の山肌からしみ出した淸水が道路を横切るような場面、カーブの先にそれがあるとドキっとします。が、S22は最新のスポーツツーリングタイヤが持つウエット性能同様、全く動じません。ドライ、ウエット、ドライという縞模様の道を同じラインをトレースしながら走れる安心感はスゴイ!

 最高の気分でワインディングへとやってきました。気分は待ちに待った峠、という感じです。ここまですでに一体感のあるハンドリング性能、不安ないグリップ感が醸すスポーティーさをヒシヒシと感じつつ走ってきたので、コーナーの連続が待ちきれません。

 ブレーキングから狙ったラインにMT-07をのせてゆきます。その時、ブレーキングでのピッチングからリーン方向(バイクを寝かす方向)に変換しつつあるときのモーションがとてもムーズかつ不安がない。しかも動きは機敏です。クイックなのにしっかりと考える時間があり、走りに集中できます。結果、走る時間の充実感が増します。

ブリヂストン「BATTLAX HYPERSPORT S22」を履いたヤマハ「MT-07」と筆者(松井勉)

 タイトなカーブへのアプローチではできるだけアウトで粘って先が見えてからズバッと曲がりたい。しかもその先はS字で切り返しが必要です。ここまでの中でできたS22+MT-07が持つハンドリングと自分の走り方がしっかりシンクロすることが確認済みなので、自信をもってアウトラインをトレース、カーブの奥からセンターラインに近づきすぎないミドルインを突いて次なるカーブへのアプローチを探す「ゆとり」が生まれます。こんな走りが面白いように決まるS22。これぞ、最新タイヤが持つ履き替えるだけで上手くなったかのような気分になれる真骨頂!

 加速、ブレーキングを交えながら楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。しかし、これこそプライスレス。バイクの楽しさが倍増した印象です。ご機嫌でこの日のS22のテストを終えたのです。

【了】

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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