国会議員から異論? 2025年4月から利用開始「二輪車定率割引」「二輪車ツーリングプラン」前年と同要件の理由とは
2025年も高速道路会社からバイクETC車載器搭載車限定の「二輪車定率割引」と「二輪車ツーリングプラン」が発表されました。これに先立ち自民党や公明党、超党派の国会議員が参加するバイク関連の政策会合で、料金施策を担う国土交通省道路局が説明を実施。「バイクシーズンも近いので、前年と同じで実施したい」と話しました。
利用対象距離短縮で利用車増えた「定率割引」
高速道路各社は2025年3月25日、今年実施する「二輪車定率割引」と「二輪車ツーリングプラン」を発表しました。

「二輪車定率割引」は、普通車の半額、それを一度の利用で走行距離80km以上の場合から適用するものです。土日祝日限定の実施を含め、2024年と同じ条件です。また、実施期間は2025年4月5日~11月30日(北海道は同~10月31日)までです。
コロナ禍ではじまった「定率割引」は、その影響から増減がありますが、2024年は過去最高でした。
「距離要件が2024年度より100kmから80kmに緩和され、ご利用が伸びたものと考えております」(東日本高速)
「二輪車定率割引」の利用件数は次のとおりです。
・2022年=25万3558件
・2023年=21万9552件
・2024年=26万5292年
過去3年間の月ごとの利用のピークは、各年とも5月と10月で、雨や猛暑の影響が色濃い6月~9月は利用が鈍る傾向です。
80km以下にできない理由は「建設資材と労務単価の高騰」?
「二輪車定率割引」は、当初100kmからはじまり2024年に80kmに短縮されましたが、「往復することを考えると長過ぎる」と、2025年はさらなる短縮が求められていました。
ただ、周遊割引の「二輪車ツーリングプラン」も含めて、前年同様の条件に据え置かれました。この理由について国土交通省高速道路課は、与野党の国会議員に説明をしています。
「定率割引についての要件緩和のご要望をいただきました。以前から重々承知していることではございますが、一方で(利用者から)一番ご要望の強い本則(=料金区分)の車種区分を今まさに議論中だということもございます」
「加えまして、建設業界全体の物価高騰、資材高騰ですとか、労務単価の高騰というところにございまして、発注者である高速会社も、やはり建設業界の皆さんに、適正なお支払いをしないといけない、っていうところもございます。そういう高速会社の経営状況みたいなものも勘案しまして、割引は継続させていただくのですが、要件については今年度と同等の要件で続けさせていただければと考えております」
これには各党の国会議員から疑問が出ました。公明党の政策会合である「オートバイ議員懇話会」では、同会長からこんな疑問が示されました。
「割引を継続することは評価しますが、その要件を継続する理由に納得がいかない。車種区分の議論をしていても、定率割の要件は議論できる。それから建設資材や人件費の高騰は高速道路収入全体の中で考えるべき話で、割引要件の緩和を遅らせる説得力ある理由ではないと思います」(石川博崇会長)
「ツーリングプラン」はコース数に比例して利用者増の傾向
「二輪車ツーリングプラン」の利用者も伸びています。この割引は指定されたエリア内であれば有効期間中は何度乗り降りしても料金が一定の周遊型割引です。2017年に4コースで発売され、年々コース数を増やしてきました。
2024年は北海道から九州まで、過去最多の全22コースが用意されました。年ごとの利用は次のとおりです。
・2022年=11万2003件(20コース)
・2023年=14万1117件(20コース)
・2024年=14万9787件(22コース)
東日本地域のツーリングプランを担当する東日本高速は次のように分析しています。
「2023年度は首都圏4コース計が約5万100件、北海道2コース計が約700件であったのに対し、2024年度は首都圏4コース計が約5万2000件、北海道及び東北3コース計が約1000件でした。合計は対前年比で約104%となっており、多くのお客さまにご利用いただけていると考えております。継続して実施することで、お客さまに認知され、ご利用が伸びたものと思われます」
実施期間は2025年4月1日~11月30日(北海道の各コースは同~10月31日)までです。
もし、2025年のコースが増えるなど要件が見直されていたら、利用者がさらに増えることが期待できたかもしれません。
高速道路課が言う本則の料金区分は、2025年4月から利用関係団体のヒアリングが実施されます。同時に利用車を13車種に分けて料金負担が算出され、その後に、バイク料金区分の独立を含めた新たな料金区分が提示される予定ですが、その日程は明示されていません。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。






