ファンティック副社長に訊く「キャバレロ700」にヤマハのエンジンを搭載する理由
ミナレリのファクトリーで見た光景
最初に訪れたミナレリの本社、工場はボローニャ空港の近くにあります。初期のミナレリは、もっとボローニャ中央近くにあったそうです。と言っても、現在でもボローニャの中心部からそう遠いわけではありません。

ファクトリーは2つに分かれており、ファクトリー1ではエンジンの製造が行なわれていましたが、ファクトリー2ではファンティックの「キャバレロ700」の組み立てなども行なわれていました。それだけではなく、「キャバレロ500」やエンデューロ、モトクロスのモデルもそのラインで組み立てられているとのことです。オーナーがヤマハだったときはエンジンだけでしたが、現在では車体の製造も行なっています。
ファンティックは、新しい生産ラインを求めていました。ミナレリを買収した理由は、生産ラインを増やすことでした。
「ファンティックがリスタートしたときは、小さな工場での再開でした」と説明してくれたのは、ミナレリからファンティックの本社取材までアテンドを担ってくれた、エクスポート・マネージャーのアンドレア・ベナッティさんです。
「しかしその後、私たちはとても成長して、新しい施設を求めていました。私たちはイチから新しい施設を作るよりも、すでにあるこのファクトリーを購入した方が良いと考えたのです。私たちは少しだけテクニカル・プロダクションを変えただけで、ここで生産を開始しました。トレヴィーゾでは、私たちはひとつの組み立てラインを持っているだけですが、ここでは5つのラインがあります。ですから、自分たちが望む成長を維持できるのです」
そう語っていたアンドレアさんは、ミナレリの人たちと会うなり、親密に握手して言葉を交わしていました。日本人とは違う気質を持つイタリア人だということを考慮しても、そのシーンややりとりからは、ファンティックとミナレリの関係性の深さが窺えました。
ファンティックはミナレリにとってオーナーであり、ミナレリはファンティックに買収された会社ですが、ともに歩む“パートナー”と表現した方が、むしろしっくりきます。
イタリアは中小企業が多く、大企業と呼ばれる規模の会社は0.1パーセントにも満たないと言われています。中小企業でさえ、全体の0.5パーセントほどだそうです。そんなカンパニーがイタリア経済を生み出しています。これは筆者の印象ですが、そうした状況もまた、会社同士の結びつきを強固にしているのかもしれません。













